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おばすな土佐日記 vol.19 -第4回遍路行-

"まっことおんちゃん"に、何から何までお世話になりっぱなしで、終いには宿まで送っていただいた。
えぃひとにおうたなぁ…。お大師さんのおかげやなぁ… と、じぃ~んと熱いものがこみあげてくるのをぐっとこらえて今宵の宿へ。

出迎えてくれた人の良さそうなおばちゃんのあとについて、食堂の方へ。え?なんで食堂?とも思ったけれど、そこには数人のおへんろさんが座って談笑していた。おじさんへんろさんの向いの席を勧められ、腰かける。チェックインと同時に精算するようだ。食堂も経営しているようで夕食と朝食のメニューを選べるらしく、夕食は"刺身定食"、朝食は"焼き魚定食"をチョイスして申告する。

他のおへんろさんも皆、チェックイン手続き待ちらしく、おばちゃん一人でだいじょぶかな?なバタバタっぷり。ま、宿についたことだしのんびり構えて、向かいの席のおじさんへんろさんと少しお話しさせていただく。
「3巡目なのにマメができてしまった…」と、気の毒なくらいショックを受けておられる。

エチオピア饅頭後遺症で、コップの水を何杯もおかわりしながらチェックイン手続き(つーか、おばちゃんバタバタしすぎかも)を待っていると、突然「相部屋でもいいよね?」と、おばちゃん異なことをおっしゃる。相部屋なんて初耳ですけど…?。「女性だから、一応鍵かかる部屋がいいでしょ?1部屋しかないの。だから」とのこと。鍵かからんでもよかったら一人部屋ってことなのか?鍵なしでえぇんですけど・・・とも思ったけれど、まぁ、いきなりゴネるのもアレなんで、ここは素直に「はい。」と答える。

おばすな土佐日記 vol.19 -第4回遍路行-_e0008223_23283876.jpgお風呂をよばれ(道路をはさんで向かいのマンションの1室の浴室を利用。不思議~)、指定された夕飯の時間を少し回ったころ食堂へ行く。さっきの、マメ量産のおじさんへんろさんに会釈をして、案内されたおひとりさま席へ着く。
ビールを飲みながら、「刺身定食の刺身ってなにかな~」と舌なめずりしながら待つこと40分。※メニューのうなぎピラフに興味津々…。
土佐は修行の道場。指定された時間を40分過ぎたくらいでヤイヤイ言うようではイカン!と辛抱する。が、お昼はエチオピア饅頭のみの腹は、とっくに限界越えでスキっ腹に流し込むビールがまわることまわること…。
1時間経過した頃、スタッフの方なのか初見のおじさんがワタシに向かって驚きの発言「だれ?」

だれ?て、アータ、アータこそだれや!
と、ここでカリカリしてはイカンのだ、おへんろは。奥歯をぐっと噛みしめて予約の名前を伝えると「ふぅ~ん」という回答。
ふぅ~んってなんや!ふぅ~んて!だいたい、夕食の時間とっくに過ぎてんねん!どないなってんねん!刺身てーしょくはっ!
と言いたいところだが、おへんろはカッカしてはイカンのだ。
「刺身定食お願いしてます。」と丁重に申し上げた。

おばすな土佐日記 vol.19 -第4回遍路行-_e0008223_2327862.jpgそしてさらに待つこと30分。運ばれてきたのは卵丼。
おかしぃやろっ!刺身てーしょくやっちゅーてんのにからにー!なんでギョクドンやねん!おぅおぅおぅおぅ!と、ノドまででかかった啖呵も、へんろがケンカ売ってどーすんねん!とおのれを戒め、ぐっとこらえて「あのぅ…お願いしたのは刺身定食のはずでして…」と厨房へ返品に行く。
そのカウンターにはワタシが予約時に発注した、"刺身定食"という、おばちゃんのメモ書き入り伝票があった。
「これです、ワタシのん…」

そんなこんなで、やっと刺身定食にありつけたのは8時をとっくに過ぎていた。若手の落語家さんみたいな口調のチャキチャキしたおにぃさんが、忙しいときだけヘルプに入ってるらしく、そのおにぃさんがいなければ9時になっても泣きながら刺身定食を待ちわびねばならないところだった。

結局、相部屋の彼女が部屋に入ってきたのは11時を回っていて、ほとんど会話することなく眠ってしまった。

おばすな土佐日記 vol.19 -第4回遍路行-_e0008223_23273198.jpg翌日の朝食は、若手落語家風のおにぃさんの切り盛りで時間どおり、発注どおりのごはんを頂く。
チェックアウトを済ませ、身支度を整えて、いざ出陣。
というところで、雨がポツポツ降り出したために雨合羽をとりだしりするうちに、昨日のマメへんろおじさんに、ご一緒させていただくことになった。
道中、「ユニークな宿だったねぇ…」と大らかな評価をされていたマメへんろさん。
宿の屋号は、七色の不思議を表してるのではなかろーか?とワタシは思うんですけどねー。と率直にお答えした。

※でも、前評判通り、ごはんはおいしくボリューム満点で食べきれませんでした。若手落語家風のおにぃさんが、いつまでも見送ってくれました。「だれ?」と聞いてきたおじさんは、整体師でサービスでマッサージしてくださるそうです。ワタシは遠慮しましたが・・・(^_^;)

by ke-ko63 | 2009-10-20 23:31 | お遍路に行きたい | Comments(4)  

Commented by 阿波のへんろ at 2009-10-22 00:13 x
美味しそうなお食事で羨ましいです。

私も今回やっとカツオのたたきを食べる事ができました。
Commented by mikeblog at 2009-10-22 12:57
豪華な朝食ですね。焼き魚はホッケかな。食べてくれー、と言わんばかりに開きなおってる。タラコに卵に焼き魚、私はごはんを3杯おかわりしそうです。
Commented by ke-ko63 at 2009-10-22 22:24
>阿波のへんろさん
おへんろしていると、一日中クタクタになるまで歩いているのに痩せるどころか必ず肥って帰ってくるワタシ。
それはきっと炭水化物の摂取量がいつもの何倍にもなってるからだと確信した今回の旅です。ほら、ご飯がどんぶりなんですもん。

かつおのたたき。お味はいかがでしたか?
Commented by ke-ko63 at 2009-10-22 22:28
>ミケさん
朝食に同じ焼き魚定食を頼んだ隣のおじさんには、焼きさんまでした。焼き魚には違いないけれど、お互いのごはんを覗きながら、「あ、あっちの魚のがいいなぁー」って思ってる人はワタシだけでなかったはず。
朝食に必ずついてくる(どの宿でも)ヤクルトちっくな飲み物。これが、ヤクルトを水でのばしたようなあっさりした口当たりで気に入り、スーパーで大人買いしたくらい。スタミンって名前もなんだかステキでしょ
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