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おばすな土佐日記 vol.36 -第4回遍路行-

小学生たちが船を下りたあと、中学生が乗り込んできた。スクールバスってのはあるけれど、船で通うなんてのどかでいいなぁ・・・。
彼らが下りたあと、がらんとした船に残されたのはおへんろさんばかり。
「みなさん終点までで?」という船頭さんの問いかけに、こっくりうなずく皆さん。ワタシは小声で「イェッサー」と答えた。

終点に到着し、乗船した時と同じで跳び下りる。コワ~。
昨日同宿だった東京のおじさんへんろは、須崎にお連れがお待ちとかで「じゃあね、おねーさん」と手を振ってスタスタ歩いていかれた。
おととい同宿だった女性となんとなく「じゃ、ご一緒に・・・」な感じになり歩き始める。若いカップルへんろさんが前を行くので、「しめしめ。あのワコウドについていけばまちがいないですゼ」と地図をザックにしまって歩く。他力本願ばんざい。

東京からお見えという女性は、細い体に似合わずとても重そうなザックを背負っておられる。聞くともなしに年齢をお聞きしてびっくり。とてもとてもそんなお年には見えなくて、趣味で登山などをされているのが若さの秘訣なのかと伺うと、ずっと現役で仕事を続けていることが元気の秘訣ということだった。「仕事は続けなくちゃダメよ。絶対よ。」とおっしゃっていた。
(続けたくてもクビになるかも~なご時世だけに雇われの身はつろうござります。)

話題が豊富な方で、話しながら歩くうちいつの間にかワコウドカップルを追い抜いてしまったようで、気づいたときには振り返っても二人の姿が見えなくなってしまった。
ここではじめて地図を広げて、道を間違えていたことに気づく。ガ━━━(゚ロ゚;)━━ン!!
地元の方に道を尋ね、かなりバックして右折する。ちょいと勾配のきついトンネルをくぐってやっと本来のへんろ道にたどりつき、お互いに「おしゃべりに夢中になりすぎましたねー。ワッハッハ」で、片付ける。ロスタイムおおよそ1時間。

それにしても今日もすこぶるいいお天気。そして、しゃべり続けてノドが乾く。
しきりに、「アイス食べたいねー」と言ってた矢先、前方にコンビニ発見!「わーいごほうび、ごぼうびー」と駆け寄ってアイスを購入。

ずーっと歩き続けていたので、コンビニの駐車場にへたりこんでほおばる。
「あ~生き返りますねー」「ほんとほんと!」とお互いの顔を見合わせニッコニコでアイスを食べる。

1時間のロスタイムを埋め合わせるために、ちょっとピッチをあげて歩いたおかげで、かなり取り戻した。
このあとの予定を伺うと、「観音寺経由の大善寺」とワタシと同じじゃないですか!じゃあ、このあともよかったらご一緒に・・・ということでタッグを組むことに・・・。

おばすな土佐日記 vol.36 -第4回遍路行-_e0008223_12374223.jpg須崎に入る。
マメに地図で現在地確認をしながら歩いたおかげで、道を間違えることもなく(といっても間違えようのない道だったけれど)番外の観音寺に到着。
町なかにある近代的なビルの2Fにあるお堂にお参りする。「わたしはお経は唱えないの」とおっしゃるので、ワタシのつたないしどろもどろ般若心経が終わる間、ずっと待っててくださった。
納経所でご住職にお話を伺う。なかなかのイケメンだ。フフ。
お寺の由来、三度栗のことなど・・・。
高知弁ではないご住職に理由をお聞きすると、高野山から2年前にこちらへ来られたそうで、なるほど関西なまりなはずだ。聞きなれた言葉を久しぶりに耳にしてちょっとうれしい。

おばすな土佐日記 vol.36 -第4回遍路行-_e0008223_12381816.jpg境内に生えてる三度栗を見上げていると、お寺の方がみえて「おひとつどうぞ」とお大師さんにお供えしてあった栗をひとつずつくださった。
三度栗とは、『昔、栗を拾うこどもらを見て「ひとつちょうだい」と声をかけたお大師さんに、こどもらは拾った栗の全部を差し上げたという。カンゲキしたお大師さんは、こどもでも背が届くようにと木は低く、いつでも食べられるようにと年に三度実をつける栗の木となるよう祈念して以来、三度栗となったのがこの木です』というこの木の由来を読んでいると、「実は小さいんですけどね」と、お寺の方はニコニコしながら一緒に栗の木を見上げた。

おばすな土佐日記 vol.36 -第4回遍路行-_e0008223_1239255.jpg「そういえば、お腹空きましたよね?お昼どうします?」と言いながらも、実は企んでるワタシ。須崎といえば、アレしかないでしょー。
「実は、ワタシ・・・」と言いかけると、「鍋焼きラーメン!」と畳み掛けてくる掛け連れさん。「わぁーっ!バレてたかー」と白状すると「ワタシも食べたかったのー」とおっしゃる。
ではでは、お店を探しましょう。

さっきからぐーぐー鳴り止まない腹の虫をひっさげて、鍋焼きラーメンを求めてさまよう女へんろふたり・・・。

by ke-ko63 | 2009-11-26 12:47 | お遍路に行きたい | Comments(4)  

Commented by クマタカ at 2009-11-26 21:47 x
須崎の観音寺。私が行った時は息子さんらしき人が明るく「こんにちは」と言ってくれました。こちらもなかなかのイケメンでしたよ。
こういう番外のお寺って楽しいでしょ?
Commented by mikeblog at 2009-11-27 10:44
お連れさんと歩くのって坂道も気にならずにスタスタ歩いて道を間違えてしまうんですよねー。よく山で「お先にどーぞ。」と道を譲られるのですが、ほんとは金魚の糞みたいに付いて行ったほうが気楽なんです。譲った方が「後から付いて来られるとなんか追われているようでー。」と言われましたもんね。ハハ。

鍋焼きラーメンが有名なの?楽しみじゃなー。
Commented by ke-ko63 at 2009-11-27 23:12
>クマタカさん
その息子さんなのでしょうか?三度栗を下さったのは…。
番外のお寺いいですね。でも、あまりにルートから離れていたりすると「ゴメンナサイ」と言いながら通り過ぎてきました。ダメへんろです。
Commented by ke-ko63 at 2009-11-27 23:13
>ミケさん
お話に夢中になって、迷子になるケースは今回2回目。ワハハ。懲りないでしょ?
そして、夢中のあまりワコウドカップルを追い抜いたのも気づかないなんてねぇ…。ダメへんろです。
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