人気ブログランキング | 話題のタグを見る

雪中行軍 宇和の彷徨-2010年越し遍路33-

7時起床。身支度してチェックアウト。
ホテル横のローソンで朝御飯のおにぎりなどをゲットン。さらに、今日の23時発大阪行バスチケットを改めて購入する。
今日は、内子に泊まって明日大阪に帰るつもりにしてバスチケットも買っていたが、ゆうべ遅くまで行程を見なおして、予定を1日繰り上げた。
ちょうど今日の便に空きがあったのをゆうべネットで予約したチケットだ。

国道に沿って歩く。
歩きながらおにぎりを食べる。
十夜ヶ橋にさしかかり、「おだいっさんはゆうべはよく眠れたかなー。」と橋の上から覗き込んだが見えなかった。たぶん、まだ寝てはるんやと…。

朝もや?霧?左手に見える山の上の方が霞んでいる。
気温が低いのにお日さんがサァーッと差してきて急に外気が温められてあぁなるんだろーか?よくわからんが、たぶん、そんな感じ。
絵ごころがある人ならば、ちょっとスケッチでもしたくなるよな景色だと思う。
絵ごころの持ち合わせがないので、カメラに何枚も収めたけれど今となっては…(T_T) ナムー

黒子(ホクロやのーて、たぶんクロコ?)という小さな集落にさしかかり、”へんろ道近道コッチ”という標識にしたがって国道を逸れる。
集落の出口には、清掃の行き届いた大師堂があった。お花も飾ってあり、このおだいっさん(おだいっさんはひとりなんだけど、ま、これも大人の事情)は、きっとこの集落の人々に大切にされていて幸せだろうなーなんて思いながら、手を合わせて最終日の無事のへんろ行をお願いする。

遠目に見えていた国道が、どんどん遠のいていく。
そして、いつのまにか山道となり足元はぬかるみはじめる。いのししのヌタ場っぽい雰囲気を醸し出している道に怖気づきながら、早足で歩く。
いのししの足あとっぽいのをみつけてからは、疲れも忘れてマッハで歩く。いや、半ば駆け足で走り抜けた。

ドキドキヌタ場ゾーンを脱出して、しばらくのどかな道を歩いていると大きな建設会社があり、その先にへんろ小屋があった。神南堂と書かれた小屋で少し休憩させていただく。ふぅ。
小屋の隣にもうひとつカンヌキのかかった小屋があり、「なんやろなー?」と、鍵のかかっていないカンヌキを外し、観音開きの扉を開けて驚いた。

お風呂だ!それも五右衛門風呂!うわーっすごーい!

へんろ小屋に五右衛門風呂が併設されてるなんて!
そして小屋の裏手には燃料にするための薪もたくさん用意されていた。至れり尽くせりだ。
野宿しながら四国を歩いているへんろにとっては、こんなありがたい施設はないだろう。
これらは、さっきの大きな建設会社が建てた小屋とお風呂なのだという。
野宿遍路ではないけれど、モーレツに入浴してみたくなった。夜なんて、ムーディーでいいだろうなぁ…星空を見上げながらお湯に浸かるなんてことを想像しただけでゾクゾクするじゃないの。

さっそく薪をくべ、水を張って火を焚き・・・と、やりたかったが、時間がそれを許さなかった。あぁ、哀しいかな駆け足へんろ…。
いつかこの五右衛門風呂で晩酌しながら夜空を見あげたいなぁ…。

再び荷物を背負って、小屋を後にする。
どこの誰かもわからないへんろに対して、お風呂付きのへんろ小屋を立ててくださる建設会社の方のやさしさ。なんなんでしょ?どこの誰からもわからんのですよ?
「おへんろさん、お風呂に浸かって疲れを落としてくださいな」という全力の善意。
四国の方々にこれまでもたくさんお世話になったけれど、なんでそこまでやさしくしてくれはるんやろ?と、ずっとずっと考えていたことを思い出したら、泣けてきた。
「なんでそこまで?なんで知らん人間やのに?なんで・・・なんで・・・」って…。
そんなにやさしゅーされても、なんにもお返しでけへんのです。ごめんなさい、すいません。

振り返ってへんろ小屋と、その先の建設会社に向かって手を合わせて頭をさげるくらいしかできなかった。

by ke-ko63 | 2011-04-27 17:07 | お遍路に行きたい | Comments(4)  

Commented by モモの親方 at 2011-04-28 09:59 x
そうそう、ここの休憩所はホンマ、ありがたいですねぇ。
1順めは無かったんですが、2順めは昼めし休憩所として使わせていただきました。

リクエストにお答えします。
Commented by はりQ at 2011-04-28 11:37 x
>モモの親方さん
お風呂をドーゾ なんていうお接待は究極ですな。
でも、ここを利用する人のマナーがいまひとつらしいですね。
ひとさまの善意を踏みにじるような利用の仕方は、同じへんろとして悲しいというか申し訳ないというか・・

岩屋寺往復をなんとか短縮でけんかなーと…バスもないしなぁ。
Commented by さんぽ at 2011-04-28 14:43 x
最近は悲しいニュースばかりで こちらのブログを読むのが本当に楽しみです。

昨夜のテレビ「所ジョージの笑ってこらえて!」見てましたか?
宇和島市津島町で何と闘牛のオーナーさんが出てきて「ガッツもー太郎」君の試合が映りました。一本目の角を折られても向かって行き二本目も折られて負けてしまった試合です。
そんで悲しいお知らせですが本当に燃え尽きちまったようです。(廃牛になったようです)
角が折れては闘牛として続けるのは無理だったのでしょうね。(涙)
でも彼の勇士が全国版でテレビに流れたのですから良かったと思います。
 合掌
Commented by はりQ at 2011-04-28 16:31 x
>さんぽさん
いろいろ思うことはあるけれど、自分は自分のできることしかでけへんねんし、それやったらできることをできる範囲でフツーにやってけばいいかなーと思うんですよね。ただ、感謝の気持ちは忘れずに…

見ました見ました!モゥびっくりでした。画面指さして「ガッツもー太郎や!」と叫びましたよ。ご覧になってたんですね。うれしいなー。ワタシ、角が折れたらまた生えてくるんだと思ってたんですよ。だから昨日の廃牛という話はショックでした。だって、すごくガッツあったんですよ。観客もメッチャメチャ喜んでたのになぁ…
ガッツもー太郎の最後の勇姿をたくさんカメラに収めてたのに、それも今となっては…(T_T)

いや、くよくよしててもあきませんな。もー太郎に負けないようにガッツで前向いて行かないとね。
名前
URL
削除用パスワード

<< 雪中行軍 宇和の彷徨-2010... 雪中行軍 宇和の彷徨-2010... >>