春の夜の夢の如き2012越年遍路vol.23 一旦大阪へ戻る
7時半 別格16番 萩原寺。
朝一番のお参りは清々しくて気持ちがいい。なにより「いっちばーん」ってのが気持ちいいじゃない。
寺の名前にも使われている萩の名所らしく、時季が時季ならたいそうきれいだったろうなぁ…。
案内板の小坊主さんが妙にイケメンで、あちこちの案内をしてくれる。八十八ヶ所の札所にいる案内板の小坊主さんよかこっちの方がモテるだろう。
静かな朝のお寺にお参りを納めたあと、一路大阪へ向けて走る。
今日は大晦日。入院中の母親の顔を見るために高速を飛ばす。香川-大阪という距離だからできることで、これが高知の足摺あたりだと大変だったろう。なーんて言うとまるで自分で運転したみたいだけど元先達っちゃんがドライバー。ありがとうねー。一旦帰阪まで付きあわせちゃって申し訳ないッス。
讃岐富士に「ちょっと帰ってきます。またすぐ戻りまーす」と挨拶し、瀬戸大橋を渡る。2時間ほどで自宅到着。今日は忙しいから食べそこねないように、お昼に早めに年越しそばを食べましょうということで、近所のお店へ。
年越しそばはどこへやらな、カレーうどんを食べたあと入院中の母の元へ。
9月に入院して以来どんどん悪化していき、あれよあれよという間に寝たきりになってしまった母。あの元気な母がやつれて悲しげな顔でベッドに寝ているのを見るのは忍びない。けれど、そんなことを言ってても始まらない。
雪の積もる雲辺寺へのお参りの話を面白おかしく劇画タッチで語ると、「そうか、そうか。たいへんやったなぁ。無事でよかったなぁ」と喜んでくれた。
「雲辺寺というお寺が八十八ヶ所の中で、いちばん天に近い場所にあるねん。標高900m超やで!めっさ寒いし、じっとしてたら歯の根が合わんくなるねん。でも、そこで「どうか母親の病気を治してやってください」ってお願いしてきたから、もう安心やで。大船に乗ったつもりでおってや。これからはウソみたいに回復まっしぐらやからね。」
それはワタシの願いでもあり、そう信じることで願いが叶うと自分に言い聞かせていた。でも、そう話して聞かせるうちに母親が泣き出してしまった。
「ありがとう、ありがとう…」と、娘のワタシに手をあわせてぽろぽろ涙をこぼす老いた母を見ていると、ワタシまでもらい泣きしてしまう。
いかん、時間がない。これからまた四国へ戻らねば。
「ほな、また四国行ってくるわ。今年のお願いが今年だけで終わってしまわんように、新年からガツーンとお大師っさんに念押しのお参りしてくるからな。新年もバッチリ頼んまっせー ってお願いしてくるから、安心しといてや。」
(母親が入院してるのに四国遍路だなんていいご身分だね)って思う人もいると思う。でも、ワタシに今できることはこれしかないのだ。ただただ母の側にいて日に日に弱っていく母の姿を見ていることしかできないワタシに、唯一いまできることは、「とにかくお大師っさんお願いします。」と直談判することなのだ。
涙を拭いたものの「ほな、行ってきまーす」と明るく手を振って病室を後にしたワタシの顔は泣き笑いの妙ちきりんな顔だったに違いない。
エレベータを待つ間、大きく深呼吸をして「よし!お大師っさん待っといてや」とつぶやいて病院を後にする。
ワタシは大きなミッションを抱えて四国へ乗り込むんだ。今までののらくらへんろとはわけが違う。何が何でもお大師っさんに願いを聞いてもらわんといかん遍路行なのだ。
そう思うと、フツフツと握りしめた両の拳から力が湧いてくる。ヨッシャ、お大師っさん待っといてやー。今、帰りまっさかいに…
とんぼ返りで四国へ走る…。
朝一番のお参りは清々しくて気持ちがいい。なにより「いっちばーん」ってのが気持ちいいじゃない。
寺の名前にも使われている萩の名所らしく、時季が時季ならたいそうきれいだったろうなぁ…。
案内板の小坊主さんが妙にイケメンで、あちこちの案内をしてくれる。八十八ヶ所の札所にいる案内板の小坊主さんよかこっちの方がモテるだろう。
静かな朝のお寺にお参りを納めたあと、一路大阪へ向けて走る。
今日は大晦日。入院中の母親の顔を見るために高速を飛ばす。香川-大阪という距離だからできることで、これが高知の足摺あたりだと大変だったろう。なーんて言うとまるで自分で運転したみたいだけど元先達っちゃんがドライバー。ありがとうねー。一旦帰阪まで付きあわせちゃって申し訳ないッス。
讃岐富士に「ちょっと帰ってきます。またすぐ戻りまーす」と挨拶し、瀬戸大橋を渡る。2時間ほどで自宅到着。今日は忙しいから食べそこねないように、お昼に早めに年越しそばを食べましょうということで、近所のお店へ。
年越しそばはどこへやらな、カレーうどんを食べたあと入院中の母の元へ。
9月に入院して以来どんどん悪化していき、あれよあれよという間に寝たきりになってしまった母。あの元気な母がやつれて悲しげな顔でベッドに寝ているのを見るのは忍びない。けれど、そんなことを言ってても始まらない。
雪の積もる雲辺寺へのお参りの話を面白おかしく劇画タッチで語ると、「そうか、そうか。たいへんやったなぁ。無事でよかったなぁ」と喜んでくれた。
「雲辺寺というお寺が八十八ヶ所の中で、いちばん天に近い場所にあるねん。標高900m超やで!めっさ寒いし、じっとしてたら歯の根が合わんくなるねん。でも、そこで「どうか母親の病気を治してやってください」ってお願いしてきたから、もう安心やで。大船に乗ったつもりでおってや。これからはウソみたいに回復まっしぐらやからね。」
それはワタシの願いでもあり、そう信じることで願いが叶うと自分に言い聞かせていた。でも、そう話して聞かせるうちに母親が泣き出してしまった。
「ありがとう、ありがとう…」と、娘のワタシに手をあわせてぽろぽろ涙をこぼす老いた母を見ていると、ワタシまでもらい泣きしてしまう。
いかん、時間がない。これからまた四国へ戻らねば。
「ほな、また四国行ってくるわ。今年のお願いが今年だけで終わってしまわんように、新年からガツーンとお大師っさんに念押しのお参りしてくるからな。新年もバッチリ頼んまっせー ってお願いしてくるから、安心しといてや。」
(母親が入院してるのに四国遍路だなんていいご身分だね)って思う人もいると思う。でも、ワタシに今できることはこれしかないのだ。ただただ母の側にいて日に日に弱っていく母の姿を見ていることしかできないワタシに、唯一いまできることは、「とにかくお大師っさんお願いします。」と直談判することなのだ。
涙を拭いたものの「ほな、行ってきまーす」と明るく手を振って病室を後にしたワタシの顔は泣き笑いの妙ちきりんな顔だったに違いない。
エレベータを待つ間、大きく深呼吸をして「よし!お大師っさん待っといてや」とつぶやいて病院を後にする。
ワタシは大きなミッションを抱えて四国へ乗り込むんだ。今までののらくらへんろとはわけが違う。何が何でもお大師っさんに願いを聞いてもらわんといかん遍路行なのだ。
そう思うと、フツフツと握りしめた両の拳から力が湧いてくる。ヨッシャ、お大師っさん待っといてやー。今、帰りまっさかいに…
とんぼ返りで四国へ走る…。
by ke-ko63 | 2012-04-12 22:37 | お遍路に行きたい | Comments(2)