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お遍路さん 13 ~ 親分 ~

「おはようパワー」を分かち合う人も少なくなってきた頃だった。荒武者が無言でこっちを見ているのに気づいて接近。ふふ~ん。人通りもあまりないけれどここも”銀座”なのね。
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舗装された道から農道へとへんろ道はつながっていく。道の両脇は刈り取りを待つ稲がさわさわと風で揺らいでいて、実りの秋を感じさせる。といっても今日の予想気温も32℃だとかで、汗だくの二日目になりそうな予感。

のどかな田園風景から竹やぶへと景色が変わる。地図は持っているけれど、『へんろ道』とかかれたステッカーや道しるべがポイントポイントにあって、道に迷う心配はない。
「歩き遍路さんが迷わんように・・・」と道に設置してくださる、こういう方々のおかげで方向オンチも堂々と歩いてゆける。なんとありがたいことだろう。

竹やぶがどんどん山道になっていき、背の高い竹林にあたりも暗くなり、さらに登り坂は続く。
『へんろ道』『南無大師遍照金剛』『同行二人』といった道しるべにまじって『マムシ注意』という注意書きがチラホラ目につきだした。
前にも後ろにも人はいない。うっそうとした竹林が続くだけ。

「こんなとこでマムシにかまれたりしても誰にも気づかれへんやん。
『お遍路の女性竹やぶでマムシにかまれて死亡』なんて新聞に出るんやろか?」
だんだん怖くなってきて、金剛杖をガサガサ地面をすりながら「人が歩いてますよー。嚙んでもうもないですよー」と声に出して歩く。

般若心経も唱えられへんニワカ遍路のくせして、このときとばかり「南無大師遍照金剛・・南無大師遍照金剛・・」と声に出して言ってみる。
”南無大師遍照金剛”ってのは、”ダイヤモンドのように神々しい空海、そしてその後ろに控えてはるすべての神仏をひっくるめてアタシャあなたに生涯ついていきます。”みたいな意味合いだそうで、「アタシャ一人やない、アタシャ一人やない。弘法大師がバックについてるんやでぇ。」チンピラがいきがって親分の名前をチラつかせながらチョロチョロしてるような気がしてくる。なんたって無敵の親分がアタシのバックにはついてる。ヘヘン。

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やっと竹林の出口が見えてきた。助かったー。
その出口に立てられていた看板が、なんともハンドメイドでマムシロードをクリアしたわたしに「よかったねー」と言ってくれてるような気がして今夜の宿に決定。その場で電話を入れて予約。

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竹林を抜けてしばらく歩くと、きれいに舗装された広い道路に出た。坂道をうんうん登るとやっと【4番 大日寺】が見えてきた。

by ke-ko63 | 2007-10-17 21:40 | お遍路に行きたい | Comments(2)  

Commented by コイケダ カオ at 2007-10-18 20:46 x
おじゃましまっす(^-^)きくすいから来ました。
越久田屋さんよかったでしょ?あいそないような人なつこいようなご主人が、出発のとき合掌して見送ってくださったのが忘れられません。結願したら寄りたいお宿です。
Commented by ke-ko63 at 2007-10-18 22:15
コイケダ カオさん

はじめまして。こんばんは。いつもくしまさんのページでは楽しく拝見しております。コイケダ カオさんと書かれているけれど、コイケ ダカオさんとはじめは勝手に読んでおりました。すいません。
越久田屋さんのご主人は、とても面倒見のいい方でした。覚えたての洗濯機の使い方を一生懸命レクチャーしてくださり、「乾かんかったらあかんから」と明け方4時くらいに洗濯物干しルームのエアコンを暖房に切り替えてくださるような方でした。
もう一回いってみたい宿です。
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