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5年がかりの結願遍路22 大阪へ

童学寺にお参りを納めたあと境内を散策していると、御加持水というのを見つけた。
飲めばたちどころにして諸病が平癒するというありがたいお水なのだそうだ。
また、お大師っさんが硯にこちらの水を使われたとかで、お筆の水とも呼ばれているらしく、『弘法も筆の誤り』っちゅーくらいだから、ここの水を使えばめきめき字がうまくなるにちがいない。
ならば、腹壊すまで飲み続けねば…と思ってみたり。

昔の駅弁についてるプラスチックのお茶容器が置いてあったので、ふたのところまで満タンいっぱい水をいただいて帰る。(100円だったか?)

88ヶ所+20ヶ所の締めにふさわしい御加持水だ。帰って母に飲ませよう。きっと病気は良くなるに違いない。
「お大師っさん、よろしゅうおねがいします」
最後の最後までゴリゴリお願いして童学寺をあとにする。

さて、いよいよ大阪に戻らねば・・・。
5年にわたって四国を歩いた(時にはクルマのお接待にも)のも、とうとうおしまいだ。
おしまいなのだ。

四国最後の晩餐は、やはりココ阿波の国の徳島ラーメンで締めくくろう。
と、勇んで入った店なれど味は今ひとつだったか…。
思い起こせば、金泉寺を出たあと国道沿いで見つけたラーメンのお店。
クッタクタに疲れたからだに、すだちの皮をすりおろしたラーメンの、体の中をさわやか~な風が吹き抜けるようなあの香りが、見た目こってりの徳島ラーメンと絶妙なコラボレーションでとてつもなく美味しく感じられた。
栄養ドリンクのお接待までしていただいた。あれが四国でのお接待デビューだったっけか。
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5年間ありがとうございました。お世話になりました。

四国の土地と、風、木々、鳥や花、そして四国の人々…。ありがとうございました。

山の向こうに沈む夕日を見つめながら、この5年間のいろいろなことを思い出す。
橋をふたつ渡れば大阪だ。また、いつでも来られる。でも、次はいつくるのか?もう一度来るのだろうか?
そんなことをぼんやり思いながら、大阪へ向かう。
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by ke-ko63 | 2012-09-15 07:57 | お遍路に行きたい | Trackback | Comments(4)  

5年がかりの結願遍路21 別格20番 童学寺

別格20番 童学寺。
別格のお寺もこれがラストだ。

ここは、お大師っさんが子供時代に過ごした場所だそうだ。また、地域のこどもたちに"いろは歌"を教えたのもここなのだとか。いろは歌考案者がお大師っさんだったとは…。
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お参りを納めようと本堂へ向かうと、車椅子に乗った女の子が家族?の人たちと一緒にお参りに来られていた。
足の悪い女の子を叱咤激励して、石段を上らせようと家族みんなで支えながら一歩ずつ登っていく。最初は渋っていた女の子も一生懸命に手すりにつかまってよじ登ろうとしている。

後ろから追い越すとき「がんばれー」とは言えなかった。
がんばってる人にはそんなカンタンな言葉をかけてはいけないと思うから。がんばってる人に「がんばって!」とは言えない、言っちゃいけない。
でも、何か言葉をかけたくて、応援したくて、でも安っぽいことは言えなくて…
結局、追い越しざまに「こんにちは…」と小さくぽつりとしか言えなかった。

本堂、大師堂とお参りを納める。八十八ヶ所+別格二十ヶ所=108ヶ所。とうとうこれで全部回りきったことになる。これで煩悩も消え失せるのか?いや、どうだろ?

藤の花が満開。やっぱり春はいい。いろんな花が咲いて彩られて明るくなる。思いがけずのサプライズだ。
地元のちびさんだろうか、藤棚の下で見事に垂れ下がる花に飛びつこうとピョンピョン跳び上がってるのを見て、こっちまでニコニコになる。
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※今にもこの花の中から藤娘が踊りでてきそうな、そんな見事な藤でした。藤娘は、やっぱ大和屋かなぁ…

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※灯籠の柱部分にくびれがあり、十字架に見えないこともないキリシタン灯籠。当時徳島にも相当数のキリシタンがいたそうです…

本堂下の石段に戻ってくると、さっきの女の子が手すりにつかまりながら下りてくるのが見えた。今にもくずおれそうな頼りない足元に、家族の人々もヒヤヒヤしながらもそれでも手助けせずにでも、何かあったらすぐ手を差し伸べられる位置にいて彼女を見つめている。
そっかぁ、無事にお参りできたのね。よかったねー。きっとお大師っさんは願いを聞き届けて下さるに違いないよ。こんなにがんばってんだもんね。
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※ぐちききわらべに、「聞いて欲しいことは山ほどあるねんけどえぇかなぁ…」と尋ねると返事はありませんでした。ぐちは所詮ぐち。わかってるんだけど、ほら、聞いて欲しい時ってあるじゃないですか!ねぇ?

足の悪い女の子と、その家族の人々を見上げながら石段の下から本堂に向かって「どうぞ彼女の足がよくなりますように」とお願せずにはいられなかった。
石段の下には、折りたたまれた女の子のピンクの車椅子が主の帰りを待っていた。
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by ke-ko63 | 2012-09-13 22:53 | お遍路に行きたい | Trackback | Comments(0)  

5年がかりの結願遍路20 太龍寺 舎心ヶ嶽

太龍寺ロープウェイに乗り込む。
そう、4年前に鶴林寺をやっつけたあとアタックした山だ。
「一に焼山、二にお鶴、三に太龍」と呼ばれる阿波の難所ベスト3に挙げられる太龍寺を今回はロープウェイでアッちゅう間に上がってしまう。
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             ※ロープウェイ上りと下りのすれちがい「バイバーイ」と思わず手を振ってしまいます。
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             ※小さなボクも立派なおへんろさん。ロープウエイの下に何が見えるの?
4年前。
太龍寺アタックして、やっと頂上にたどり着き、待合室で休憩していると、たったいま下からロープウェイで上がってきた人々が「うわぁーっ!なにこの石段っ!げぇっ」って大騒ぎしていたのを「あんたらロープウェイやろがっ!」と声なき声でツッコミ入れたワタシ。
たしかに、ロープウェイ下りていきなり目の前にそびえる石段は圧巻だろう。そやけどアタシャこのふもとから歩いて上がってきたんだよぅ…

そんなことを思いつつ、ドリンクをがぶ飲みしていた4年前…。
その石段が昨年の台風で崩落してしまったのだそうだ。石段は通行禁止となり、4年ぶりに今回はロープウェイでやってきたのにあの天へと伸びるような石段をみることができないのだ。
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             ※もちょっとどないかなりませんか?仮とはいえこれが本堂っつーのは…。゚(PД`q。)゚。

石段の下に仮本堂が設けられ、それはそれは貧相な仮本堂で、4年前にしんどい思いしながらもふもとから歩いて登ってきてお参りを納めることができた幸せを噛み締める。

「あのとき、登らせてくださってありがとうございます」
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                  ※断崖に座るお大師っさん。
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   ※お大師っさんと肩組んだり、首に手ぇ回したりして馴れ馴れしくしてすいません。だって、ここ足元不安定でメッチャ怖いねんもん。

太龍寺に来たのは、4年前にスルーした舎心ヶ嶽のお大師っさんに逢うためだ。
岩場に這うようにしながらヒーヒー言ってると、韓国の方だろうか、若いお嬢さん達が「ダイジョブダイショブ」と励まして下さった。
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※4年前の太龍寺アタックの様子はコチラ…その1 その2 その3 その4 その5
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by ke-ko63 | 2012-09-11 22:54 | お遍路に行きたい | Trackback | Comments(0)  

5年がかりの結願遍路19 別格3番 慈眼寺の穴禅定

4年前に歩いた道をクルマでなぞる。懐かしいなぁ…。あのときは暑かったもんなぁ…。そうそう、ローソンあったあった!あそこでスイカのお接待を頂いたんだった。

緩く坂道になってて舗装道路でお日さんの照り返しでもうアチくてアチくてたまらんかったなぁ…。と、思い出した。そう、このあたりの木工所?みたいなところのおじさんが手招きしてくださったことを。
仕事場に入れてくださり、ホームランバーや牛乳をお接待してくださったんだった。
そして小さなテレビで高校野球を一緒に観戦したんだった。あのおじさん元気かなぁ…。
いろんな人にお世話になったなぁ…、ありがたかったなぁ…などとちょっぴり感傷的になりつつクルマは走る。

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別格3番 慈眼寺。
こちらで"穴禅定"なる修行を体験するのが目的だ。
岩の隙間から入っていって鍾乳洞みたいな中を匍匐前進で進むのだと聞く。
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受付を済ませ、10分ほどの山道を登っていくと穴禅定の行場に到着する。その後、受付で一緒になった、人のよさそうなおじさんと女子グループもやってきて、総勢8人のにわか行者チーム結成。
チャキチャキしたおばさんの諸注意を聞いた後、片手に火を灯したローソクをもち、真っ暗な岩場に入っていく。レッツゴー♪
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先導する先達のおばさんのコトバ通りに体を進めないと、岩場に引っかかって進めない。「左肩下げて右足伸ばしてっ!」「頭を下にっ!おしりを下げてっ」
先達さんが穴の中の進み方を2番手のおじさんに伝え、そのおじさんが同じことを3番手のワタシに伝える、そしてワタシは4番手の人に…伝言ゲームのように先達さんのコトバを伝えていくのだけれど、伝言ゲームって必ずどっかでおかしくなってしまうという法則どおりで、この場合、すでにおじさんの段階でハチャメチャになっていた。
おばさんに叱り飛ばされるおじさん。もう、めちゃくちゃ怒られてるおじさん。焦りまくるおじさんは怒られれば怒られるほど言われてることと逆方向に体を入れたりで、3番手のワタシが「いや、左肩ってゆーてはりますよ」と教えてあげるような始末。

岩場がどんどん狭くなり、おしりから体を入れたり、体をねじりながら隙間を通ったりするうちにローソクがフッと消えたり、先達さんのコトバ(もはやおじさんは軽くパニクってて、後続に伝えることを放棄している模様なので、先達さんのコトバを必死に聞いていたワタシ)を聞き漏らしたりするから焦ってくる。
そういうのも見越してるのか「違うっ!左肩から回りこむのっ!」と先達さんの怒号が飛ぶ。ローソクが消えると「隣の人に火をもらうっ!」「頭気をつけてっ!」

ここは軍隊か?先達さんがコトバを発するたびに「イェッサー!」と叫ぶワタシ。
後続のおねぃさん方もわぁきゃあ言ってる。(フッ若いな)

やっと広い空間に出て、そこには祭壇のようなものがあり、ここがゴール地点なのだそうだ。先達さんが祭壇のローソクを灯して全員で読経する。
その後、先達さんが各自にお願いごとがあれば言ってください。ここでお願いすればきっと叶います的なことを言い、おねぃさんグループのひとりが「良縁祈願をお願いします!」と叫んだのが微笑ましかった。(若いっていいな)

そこからまた引き返す。
今きた道を戻るんだけど、やっぱり2番手のおじさんはボロクソに先達さんに怒られまくりで、その背中がどんどん小さくなっていく。この年になってこないにワヤクチャに怒られるとは、おじさんもゆめゆめ思わなんだにちがいない。おじさんファイト!
でもなんとかスタート地点に戻って、外へ出る。「わっ、眩しいっ!」「明るいってステキ♪」「お天道さんばんざーい」
めいめいそんなことを口走りつつ、お互いに「お疲れ様でしたー」先達さんに「ありがとうございましたー」
外のお堂の周りを3周して修行は無事終了。
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往復200メートル、およそ1時間ちょいの修行。なかなかワイルドな修行だった。
え?穴禅定内の写真?んな余裕おまっかいな!
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             ※穴禅定前にトイレは済ませておいたほうが…と入った個室にイキなドドイツ?
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by ke-ko63 | 2012-09-08 09:32 | お遍路に行きたい | Trackback | Comments(6)  

5年がかりの結願遍路18 いろんなおへんろさん

翌朝6時前。朝ごはんをよばれにおりてくと、昨夜、若人へんろのグループに、あれこれとレクチャーしていたおじさんが、食後のコーヒーをすすっておられた。「おはようございます」と挨拶したのがきっかけで、いろいろとお話しする。

日に焼けたおじさんは、もう何巡も回っておられるそうでコースも熟知してらっしゃる。
「家内と先の温泉で待ち合わせてるんですよ。アイツは電車でくるけれど、ボクはこうして歩いて行く。向こうで会えるのが楽しみでね」
奥様はおへんろじゃないけれど、この先で待ち合わせていて、会えるのを心待ちにしながら歩いて行くおじさん。「歩きながらちょっとずつ待ち合わせ場所に近づいていくのがなんだか楽しくてね。」と行ってちょっと照れてらした。

「還暦過ぎてんですよ」とおっしゃるが、お若い。そして、『仲良き事は美しき哉』を地で行くようなラブラブっぷり。
60過ぎても、「会えるのが楽しみで…」なんて臆面もなくノロケちゃってるけど、おへんろは人の心を素直にさせるのかもしれない。「幸せってあぁいうのをいうんだろうなぁ…」なんて、かなりうらやまし~ぞ!ヒューヒュー♥♡♥

そろそろ出立されるようだ。が、その重そうなザックに驚いて「ほんとにそれ担げるんですか?」と尋ねると、ラクラクと担いで見せてくれた。
試しに担いでみようとしたけれど、だめ、うそみたいに重い。持ち上げることすらできない。重すぎ。
「いや、なに、担いでしまえばこっちのもんですよ」そう言って、日に焼けた顔から白い歯を見せて笑って「じゃ、お先に」と出立された。
爽やかなおじさんだ。こっちまでホンワカ幸せな気分だよ。「いつまでもお幸せに~♥」と、後ろ姿を見送った。
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             ※おかみさんの朝ごはん。懐かしいなぁ。ほんとにおいしいの♪ごはんはお代わりしましたよぅ


「結願したんだからゆっくりしていきなさい」というおとーさんのお言葉に甘えて、食後のコーヒーを頂いてると、昨夜遅くにタクシーでやってきたカップルが朝食に下りてきた。(遅っ!7時回ってるで)
挨拶するも返してくれたのは女性だけ。男性はなんだかちょっと苦手なタイプだ。
昨夜も夕食時、ワタシの結願を一緒に喜んでくださった鮒の里のおとーさん、おかみさん、その他同宿の方々とワィワィ言ってると「我々歩きへんろはスタンプラリーするつもりはないから。」と言い放った男性は、その場を一瞬で白けたムードにした。

「歩きへんろが堂々とタクシーで宿に乗り付けるんかい!、そもそも誰がスタンプラリーやっちゅーねん!オゥオゥオゥ(*`д´)」と言い返したかったけれど、結願当日に十善戒を破るのもちょいとなぁ…とグッとこらえた。そんな昨日の夜のことを思い出してまたちょっとムカムカきた。

おとーさんに今日の行程を尋ねられた男性は「予定に縛られて歩くのは真のおへんろだとは思わない。かつて空海が著した三教指帰という書物には、うんたらかんたら…」と、持論の演説がはじまった。
釈迦に説法。
そんなコトバを思い出してちょっと可笑しくなってきた。おとーさんがどれだけ読書家なのか知らないんだこのオサーン。えぇぃ、もうオッサン呼ばわりじゃぃ!
おとーさんは、笑って何も言わない。こういうところがおとーさんの魅力なのかもしれない。

彼女の方はべっぴんさんだし、愛想もそこそこいいのになんでこんな神経質で頭でっかちなイヤミなオサーンと歩いてるんだろう?どういう関係なんだろ?夫婦?いや、違うな。
ずいぶん年上なオサーンが彼女に敬語で話してるからちがうな、うーん…。("人を外見で判断してはいけません"というのは十善戒になかったハズ)
と、普段のシャバ暮らしなら昨日の"スタンプラリー発言"に対してとっくに反撃してるところをお大師っさんとの十善戒で我慢しているワタシは、アンバランスなふたりの関係をさまざまな妄想で詮索する。

おへんろしてるからって、みんないい人とは限らない。いや、その人のヒトトナリがモロに出てくるのかもしれない。いろーんな人がいるのだ世の中には…。
あのオサーンもいつか頭を打つ日が来るだろう。本を読むのと実際に歩くのはまったく別物なのだよ。理屈だけでは四国は歩けない。それに気づく日がオサーンにも来るのだろう。
がんばれオサーン!打つときは思いっきり頭を打て!打って打って打ちまくれ。あぁ、今ワタシが打ってやりたい…。
たぶん、おとーさんもそう思ってるのかも…。でも、諌めないし助言もしない。四国は自分で歩いていろいろ気付かされることが多いのだから。
でもやっぱりワタシが打ってやりたい。ワハハ。

さて、ワタシもそろそろ出発しよう。
鮒の里のおとーさんにお願いして、一緒に記念写真を撮ってもらった。

4年前にココに立ち寄ったのも何かのご縁、そしてこうしてまたお会いできるご縁に心から感謝する。「おとーさん、またきっと来ますよ。元気でいてくださいねー」
いつまでも手を振って見送ってくださるおとーさんとおかみさんに「まーたーきーまーすーぅー」と叫びながら手を振り、4年ぶりの鮒の里をあとにした。
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by ke-ko63 | 2012-09-07 09:19 | お遍路に行きたい | Trackback | Comments(0)  

5年がかりの結願遍路17 命の恩人との再会

2008年8月。真夏のへんろ行だった。
通りかかった『お接待所』が開店前で、玄関先でウロウロしてるところを、軽トラでやってきたココのおじさんに「入って入って-」と声をかけていただいたのがご縁だった。
お接待所というものがはじめてのワタシは、ドギマギしながらも今後のルートやトイレポイントを教わり、そして、水を凍らせたペットボトルとよく冷えたペットボトルの2本を持たせてもらって出発した。
その後、鶴林寺を目指してる途中で雷雨に見まわれ、恐れおののき、半べそで山にしがみついてるところへケータイに電話を下さったのが、このおじさん、そう、『鮒の里』のおとーさんだ。

「いくらかけても電話に出ないから心配してたよ。大丈夫?迎えに行くから駐車場で待ってなさい」

何度目かの着信でやっとケータイに気づいて電話に出た。それまでおとーさんは、何度も留守録に入れてくださってたのだ。あの留守録は昨年夏の横峰アタックで、ケータイが水没するまでワタシのココロのお守りとしてずっと残していた。
あのとき、おとーさんがお大師っさんに思えた。

鮒の里のおとーさんには、ぜひとももう一度お会いして、あの時の御礼を言いたかった。そして、結願の報告をしたかったのだ。
そう、おかみさんにもずいぶんお世話になった。おかみさんがワタシのケータイ番号をメモってくださってたからこそおとーさんが連絡くださったのだもの。
ワタシにとって鮒の里は、命の恩人なのだ。

4年ぶりの再会。
おとーさんは、なんだかシュッとしてちょっとかっちょよくなってた。おかみさんは、あのときのまま、優しいお顔で迎えて下さった。

「そう、今日結願したの?おめでとう!」
そう声をかけられたとき、ジワッと目頭が熱くなった。
あのとき、助けてもらわなかったら今日の日はなかったんです!
4年前のことを話したけれど、おとーさんは覚えてらっしゃらなかった。「鶴林寺で泣く人多いからねぇ…」
確かに。
ワタシみたいな人をたくさん助けてくださったんだろう。ありがとうございます。
おとーさんが覚えてなくても、ワタシはちっとも構わない。ワタシはおとーさんに再会できたことがうれしくてうれしくて…

4年前に来たときは、「今度は秋に来なさい。ここで鍋をするから…」と言ってらした囲炉裏端で夕食を頂く。5月になっちゃった、ごめんなさい。また秋にきっと来ますね。
おかみさんの心づくしの手料理が並ぶ夕食。4年前は、暑い盛りに「素麺食べたい…」と思いながら歩いていて思いがけず願いが叶い、うれしかったことを思い出す。そんなことをおかみさんに話すと、笑っておられた。
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              ※おかみさんのごはんはほんとにおいしいの♪不思議と食べたかったものが出てくる。

4年前に泊まった部屋の隣の部屋に今日は泊まる。
あの時見た年季の入った扇風機は、ハイテク扇風機に変わり、ブラウン管のテレビも液晶画面のテレビに変わっていた。

でもね。またお会いできたことが嬉しくて嬉しくて…。おとーさんもおかみさんもこうしてお元気でいらしたことが嬉しくて嬉しくて…。

たくさんのへんろさんがやってくる宿だから、おとーさんもおかみさんも覚えてなくても、そんなことはちっともかまやしない。でもね、ワタシはお二人に会えたことがほんとに嬉しかった。

「ありがとうございます」

そうつぶやいてから結願の夜のお布団にもぐった。
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by ke-ko63 | 2012-09-06 21:50 | お遍路に行きたい | Trackback | Comments(2)  

5年がかりの結願遍路16 別格1番 大山寺

88ヶ所の札所は、すべて打ち終えた。

へんろ道からそう外れてない別格のお寺さんも、なんだか素通りできずにお参りするうち「せっかくなら別格20番も全て回ってみたら?」と言われ、「それもそうかな」と思い、しかし、へんろ道からウーンと離れてるところもあったりで『別格だけはクルマでもOK』という独自ルールを設定して以後、クルマで回る。まさに別格、いや、破格。

四国88ヶ所+別格20番をあわせると、108ヶ寺。それは即ち、煩悩の数なのだ。
その煩悩も、あと2つを残すのみ。これはやっつけとかないとのちのち煩悩に苦しむに違いない。「あぁ、あのときあと2つ行っておかなかったばっかりに…」と煩悩まみれの余生を送りたくはない。

別格1番。大山寺到着。
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白衣を着たおへんろさんを沢山みつけて、なんだかうれしくなる。
「あのねー、あのねー、ワタシたった今さっき結願したんですよー」ってふれまわり、あのお参り集団の輪の中に踊りでて行きたい気持ちをグッとこらえる。
こんなに浮ついた気持ちなのは、煩悩の数をクリアしていないからなのだ。絶対そうだ。コワイコワイ。ちゃんとお参りしよう。
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別格のお寺って、なんていうのか、前にグイグイ出てこない感じがいい。
慎ましいというか、控えめというか、品があるというか…。これまでお参りを納めたお寺の中で、別格のお寺さん結構スキだったりする。
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※弁慶が植えた(らしい)大イチョウ。まるで弁慶の立ち往生そのままの姿のようにも見える…。大河でもやってくれるんかな?弁慶の最期。

お!気になる像を発見。
こちらのお寺で、"力餅"という行事があるらしく、三宝に乗せた巨大鏡餅を持ち上げて力自慢を競うのだそうだ。
ん?それって、京都醍醐寺の五大力さんでの餅上げ奉納のパクリ?と思ってたら、こちらの大山寺は醍醐派ということで納得。
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                   ※三宝の重さだけで90kgだそーです。ワイルドだなぁ~
お参りとチャチャ入れも終わり、一路今宵の宿へ…。

結願したらきっともう一度会いたいと思ってた人に会いに行く。
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by ke-ko63 | 2012-09-03 22:36 | お遍路に行きたい | Trackback | Comments(0)  

結願遍路4

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捨身嶽のお大師さんにもご挨拶
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by ke-ko63 | 2012-05-04 17:42 | お遍路に行きたい | Trackback | Comments(0)  

結願遍路2

大窪寺へ向かってる途中は、なんてことなかったんだけど、山門が見えてくるとなんだかワナワナしてきて・・・
山門をくぐると、苦節5年の月日が長かったような短かったようなしんどかったようなそうでもなかったような…
森羅万象すべてのものごとに感謝の気持ち。
ありがとうございます。
おかげさまで。
そんな気持ちでした。88ヶ所(+別格いくつか)を無事にお詣りできたことに感謝。
お大師っさん、ほんまにありがとうございました。
ただただ感謝の気持でいっぱいで、涙がこみあげてきました。

今夜は、お世話になった宿に泊まって、5年ぶりの宿のおとーさん、おかーさんに結願のあいさつに。

ほんまにほんまにお世話になりました。
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by ke-ko63 | 2012-05-03 20:42 | お遍路に行きたい | Trackback | Comments(2)  

春の夜の夢の如き2012越年遍路vol.18 見知った顔は…?

雲辺寺からロープウェイ駅に行く途中、五百羅漢像に見送られる。
いるわいるわぎょーさんいてはる。ひとつひとつの表情がみな違っていて、こわーい顔のおっちゃんから、変顔のおっちゃんまでさまざまだ。
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お釈迦さんの弟子を羅漢さんというらしい。こちらの五百羅漢さんは、檀家さんらの寄進によるものなのか、台座に名前が彫ってあったりする。
1体いくらぐらいするんだろ?なんて下世話なことを考えてるうちは、まだまだ煩悩まみれですな。
酒と書かれた壷を持つ羅漢さんに妙に親しみを覚えたりしながら、道を下っていく。
もうおしまいかなぁ?と思ったら、また出てくる。500体以上あるんじゃないだろうか?リアルすぎる表情や仕草は、今にも動き出しそうで1体くらいはうおぉーっと叫びながら追っかけてきそうだ。一人で歩いていたりするとちょっと怖いかも…。
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ロープウェイ駅手前の地面に徳島と香川の県境を示すラインを見つけた。
あぁ、いよいよ終盤なんだなぁ…と思うと、なんだかちょっぴり切なくなってくる。だって、女の子だもん。
徳島から歩き始めたのはいつだったっけ?ずいぶん昔のように思うけれど、もうおしまいかと思うと、もちょっとゆっくりと歩きたいような気持ちで元先達っちゃんをチラ見する。たぶん却下だろうなぁ…。
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「さぁ、下りますよ」
元先達っちゃんの号令で山を下り始めた。
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by ke-ko63 | 2012-04-06 19:49 | お遍路に行きたい | Trackback | Comments(2)