雪中行軍 宇和の彷徨-2010年越し遍路17-

激しく吹きつける雪に目も開けてられず、さりとてつぶるわけには行かない。右手の金剛杖は仕込み杖ではないから。
仕方なく、雪が目に入るのを少しでも避けるのにうつむいたまま歩いていると、バス停の標識などにぶつかりそうになり、「あっぶな~」というシーンに何度も遭遇する。

そんなことしながら雪もときおり小康状態になったり・・・、また山道を登る。
しばらく行くと、目の前にぽっかりと口を開けたトンネルが見えた。

トンネル手前にさしかかると頭の上からワンワンキャンキャン聞こえてくる。もしや、こんな人里離れた山中に大量の捨て犬か!
と、声のする頭の上の方に目をやると、ちょうどワタシを見下ろしていたおばちゃんが「おへんろさんがんばってー」と手を振ってくださった。
ペットショップらしき看板のかかった建物の窓から顔を出してるおばちゃんを見てホッとする。大量捨て犬ではなかった。よかった・・・。

鳥坂トンネル1117m。長いぞコリャ。
トンネルを通る歩行者のために反射タスキが用意されているとウワサに聞いていたのはコレか。ボックスからタスキを1本取り出して手を合わせて「拝借します」と一礼。

e0008223_21555318.jpgトンネルは、白線1本で歩道と車道を分けてるだけで、歩道部分の道幅は狭い。さらに、思った以上に暗い照明だ。
反射タスキはほんとに反射してるのか不安だった。こんなことなら両肩にタスキ掛けのw反射タスキにすればよかった。

山の中のトンネルとはいえ、クルマは結構走っている。それも、雪道を恐る恐る走っているストレスがトンネルに入ったとたんタガが外れるのか「ヒャホゥ~!」とばかりに飛ばしている(ように見える)。

トンネルの中を(たぶん)猛スピードで走り抜けるクルマの反響音たるや!
防寒用のイヤーマフラーをしていても耳をつんざくような大騒音なのだ。さらには、車道との間隔が狭いためにトラックなどが走り抜けるときの風圧に煽られて、体ごともっていかれそうになる。コワイコワイ。

歩道とは名ばかりのトンネルの端っこを身を縮こませて歩き、さらには”ワタシハココニイマス”と反射タスキでクルマにお知らせまでして遠慮しぃしぃ歩いているへんろに、これみよがしに猛スピードで走り抜けていくクルマ。くっそー!

雪さえ降ってなければ鳥坂峠をのんびり越えているはずを、予期せぬ雪中行軍となりしぶしぶトンネルを通過することになってしまったが、やっぱりトンネルは恐ろしい。

なるべく壁側に身を傾け、腰を落とし重心を低く保ちながら、それでいて小走りで1117mを急ぐ。
徐行してくれるクルマなんて一台もなく、走り抜けていくクルマめがけて”うっさいわーい!じゃかましわーい!そんなに飛ばしたらあぶないやろー!の唄”(オリジナル)を即興で大声で歌いちぎる。

e0008223_21563531.jpg反射タスキが思ったよりも反射していて、トンネル内でのワタシの歌声が車内の人間にはよく聞こえていたとしたら、通過するドライバーは、かなり滑稽な歩き遍路を目撃していたかもしれない。

ドキドキトンネル熱唱タイムを終え、トンネルを出る。
反射タスキ収納ボックスに拝借したタスキを掛けて一礼し、また歩き出す。山道はいつしか下りになり大洲の街は、これを下りきったところのはずだ。
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by ke-ko63 | 2011-03-01 21:57 | お遍路に行きたい | Trackback | Comments(0)  

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