雪中行軍 宇和の彷徨-2010年越し遍路19-

臥龍の湯をあとに歩いていると、向こうから初詣に向かうのであろう家族連れがぞろぞろとやってくる。たぶんさっき右手に見えた神社を目指しているのだろう。
右手の神社。
いや、ワタシもね、初詣がまだだったので「ちょっくら…」と考えはしたのだが天へ架かる梯子のごとく続くオットロシ~階段のいっちばん先っちょに小さく鳥居が見える。あそこが神社の入口とゆーことは…。
5時間ぶっ通しで歩いてきて、やっとお昼にありついてのち足湯でほっこりしたばっかりなのだ。なにも好き好んであんな天空の地へ初詣しなくても、もっと他の手頃な神社仏閣でもいいんじゃなかろーか。と、あっさりあきらめた。

気をとりなおして、明治の家並みという通りを歩く。
今日は、伊予大洲駅まで歩けばノルマ達成だ。少しだけ時間もある。フフフ。
そんな心の緩みが顔に出たのか、向こうから歩いてきた人の良さそうなおじさんに声をかけられた。「どこまで行くの?」
実は、ちょっと大洲の街をぶらぶらしようかなと思っていたところで、渡りに船とはこのことだ。が、”ココへ行きたい!”というのを決めていなかったワタシはとっさに「伊予大洲駅はどっちですか?」と答えてしまっていた。

私服にしては蛍光色のジャンパーにキャップとは、新年早々張り切ったおじさんだなと思っていたその装いは、どうも地元のボランティアガイドさんのユニフォームらしく、おじさんはワタシの問いに対してとてもわかりやすく駅までのルートを教えてくださった。

「なんなら途中まで一緒に・・」と言いかけるおじさんに「い、いえ、大丈夫です。わかると思います。」と答えるのがやっとで、とにかく駅までの道のりを教えていただいたお礼を言っておじさんと別れた。
しばらくまっすぐ歩いていると、『右 赤煉瓦館』という標識があり、「お?なんだろね」と、立ち止まりそっちの方向を見ていると後方から「そっちじゃなーい。まっすぐまっすぐー!」と言う声が聞こえる。
何気に振り返ってみると、さっきのおじさんがさっきの場所からこっちみて叫んでいた。「まっすぐいきなさーい!」

アチャー。

いい人だ。ずっとワタシがちゃんと教えた通りに行くか見守っていてくれたのだ。
だけど、いい人も加減を越えるとちょっとねぇ…。(^^ゞ

とにかくおじさんの視線を背中に感じつつしばらくはまっすぐ歩く。で、教わった肱川橋へ出る右折ポイントで右に折れる。
折れてしばらくしてから元の道へ戻っておじさんを確認すると、もういなくなっていたので元来た道を戻って赤煉瓦館へ行く。
いや、いい人なんです。おじさんは悪くない。悪くないが、ボランティアガイドの血が騒いだんでしょうな。道に迷ってる人を見るとウズウズするんだと思う。
ハナからワタシが「赤煉瓦館に行きたい」と言えばこんな苦労はなかったんだけど…。

そんなこんないろんな思いに苛まれながら訪れた赤煉瓦館は、文字通り赤煉瓦の館で、それ以上でもそれ以下でもなかった。たどり着くと、もうなんだか気疲れしたのか中へ入ることもしないで、再び肱川橋へ向かったのだった。
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by ke-ko63 | 2011-03-03 22:58 | お遍路に行きたい | Trackback | Comments(2)  

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Commented by mikeblog at 2011-03-04 11:02
おじさんは車のナビと同じですね(笑)私の車は古いからナビは付いていないのですが、聞くところによるとやたらと高速に乗せたがってそっちに誘導するんだそうで、それを無視して走っていくとナビもがっかりするらしく、また次の高速のインターへと誘導するんだって?そのボランティアガイドのおじさんは車のナビより始末がわるいなぁ。
Commented by ke-ko63 at 2011-03-04 21:17
>ミケさん
ワタシのクルマも「まだ乗ってるの?」と言われる骨董カーゆえ、カーナビついてません。いや、人間考えるチカラを放棄してはいけませんな。あそこへ行くにはここを通ってこの裏道を・・・と考えるのが楽しいじゃーないですか。
ウソです。それで何度も迷子になってます。

このおじさんは、ボランティアガイドの血が騒いだんでしょう。
ナンピトたりともこの大洲で迷わせるわけにはいかねぇ!なんていう気概を感じましたよ。ウソです。
愛媛の人は皆やさしいです。愛媛には愛があるんですもの。

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