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雪中行軍 宇和の彷徨-2010年越し遍路26-

すでに客席は半分ほど埋まっていたが、会場を一回りして見物に適したベストボジションを探して着席する。
天井はテント状の覆いがあるものの風通しの窓からはびゅーびゅー風が吹きこんでくる。さらには座席はコンクリートの上に木製のベンチ(座布団は置いてありました)のため、底冷えがする。闘牛見物を楽しみにしすぎて、他のことが考えられず全く防寒対策を講じないまま来てしまった。あぁ、寒い、寒い…。もちろん暖房などはない。
入り口で売ってたアチアチおでん買ってくればよかったなー、あと熱燗も…と悔やんだが後の祭り。
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観客席はいつの間にかほぼ満席になり、めいめい食べたり飲んだりしながらその時がくるのを待っているようだ。
ワタシの周りのギャラリーを見渡してみると、おっさんもしくはじーさん密度が高く、公共の場での禁煙が叫ばれる最近の風潮に真っ向勝負するようなヘビースモーカーが、ねじり鉢巻に腹巻という勇壮なイデタチで、番付け表を見ながら、勝敗の予想をしている。
最近すっかり見かけなくなった競艇場の予想屋を彷彿とさせるような、そんな昭和ノスタルジー風景が今目の前で繰り広げられている。そしてどの人も恐ろしく酒臭い。

いよいよアナウンスがはじまる。
そして、牛の四股名を独特の節回しで読み上げ土俵へと呼び入れる。
〇〇号、体重◯◯◯キロ、出身地などの紹介があってようやく入場。すぐには登場しないのだ。観客の関心をひっぱるだけひっぱるところなんて、なかなかツボを心得てらっしゃる。
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おぉーっ!出てきた!世話人を何人も従えての入場だ。
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次に対戦相手の入場。
こちらも何人も侍らせての堂々の入場。
そして、鼻輪にくくりつけたロープを引っ張ってお互いの顔を付き合わせさせる。ごたいめーん。
さぁ、見合って見合ってーっ。
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闘牛には行司はおらず、また塩を撒いては立ったり座ったりというのもない。ましてや顔をバチンバチン叩いて気合を入れるなんてこともない。
一目合ったその日から恋の花咲くことはなく、闘志がメラメラと燃え上がるようなのだ。
鼻息がフガーフガーフガーと荒くなり、頭を低くして戦闘態勢に入る。
モリモリしてる肩の筋肉がさらに盛り上がり、前足で地面を掻いて相手を威嚇しはじめる。
セリフ的には「いっちょもんだろかー」もしくは「オレの必殺牛殺しをお見舞いするゼ」てな具合だ。
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そして、対戦はいきなり始まる。
頭を地面にこすりつけるほど下げ、ぶっとい角でぐいぐい押すヤツもいれば、元気のいいヤツは後ろ足で反動つけて頭を振り下ろして頭突きをかまし、相手に挑みかかる。

宇和島闘牛には、勢子といわれる立会い人が1頭につき一人付き添い、ただでさえやる気満々な牛の肩あたりをバシンバシンしばきまくりながら、「そらやれ、ほらやれ、いてまえー」(たぶんそんなことを叫んでると思われ)と、けしかける。
肩と肩を合わせて王道の押し相撲ともなると持久戦だ。つぶらな瞳は充血し、2頭の体からはゆらゆらと湯気がたちのぼり、ツヤツヤな毛並みが逆立っているのが遠目にも見て取れる。

叫び続けながらバシバシしばく勢子は、土俵の周りに待機する勢子衆に次々にメンバーチェンジする。勢子も体力を使うからだ。
勢子のキャラもバラエティーに富んでいて、掛け声がステキな人もいれば、イデタチがイキなおにーさん、けしかけるのに夢中になりすぎて、うっかり牛に足を踏まれてのたうちまわるおじさんなどさまざまだ。もちろん場内大爆笑。
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もう土俵から目が離せないのだ。すごい、すごいよ宇和島闘牛!
気づくと自分の鼻息もフガフガーってな具合で、大コーフンなのだ。
決着は、牛が背中を見せたり、逃げ出したり、地面をバンバン叩いて「ギブギブ!」って言ったら勝負あった!となるらしい。(最後のはウソ)
いきなりの初戦から白熱する対戦で、興奮覚めやらぬうちに次のチャレンジャーの呼び込みが始まった。

by ke-ko63 | 2011-04-06 23:26 | お遍路に行きたい | Comments(2)  

Commented by 六根清浄 at 2011-04-07 00:31 x
おへんろブログ、元気に再開していたんですね!その調子で元気を全国に発信してください。日本の復活のノロシは関西からっ!!と関西人としては感じるわけです。同じ関西人として応援しております。
僕も宇和島では気にはなっていた闘牛大会、熱いレポートを拝見できて感極まっています。つづきも楽しみです。そして・・・。「バスチケットとれちゃった」んですね!頑張ってください!きつい旅になるかもしれんけど・・・(笑)。
Commented by ke-ko63 at 2011-04-07 21:16
>六根清浄さん
そうですね。東日本の分も西日本ががんばらんと!
てやんでぇー自粛!おとといきやがれー自粛!です。
せっかく授かった頑丈な肝臓と誰にも負けない食い意地と、天性のイチビリ魂を今こそ発揮して東日本をバックアップせねばね!
まずがんばらんならんのは今こそ西日本でっせー!
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