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2泊3日の秋遍路 その10 石鎚山また来ます

続々と天狗岳へやってくる登山客が、入れ替わり立ち替わり記念写真を撮るために、てっぺんのすぐ近くにうずくまってるワタシに「すいませーん、シャッター押してくださーい」と声をかけてくるけれど、「人間できることとでけへんことがありますのんや。そないな無理なこといいなさんな。」と、すべて大先達さんに振った。
にこやかにポーズを指示する大先達さんと被写体達。
みなさん、なんでそないにニコニコなん?こんなにおっとろしーてっぺんで、なんでそないにワハハと笑ろてられるのん?

傍観していたワタシに「じゃ、そろそろ戻りますか」と、写真係が一段落した大先達さんが声をかけてきた。

一難去ってまた一難。
また、あの道を帰るのか…。それもちょっとホロ酔いだったりするのだ。なぜだ?気圧の関係か?
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2ヶ月前にはじめて石鎚山に登った時、試しの鎖に泣かされ、一の鎖にビビらされ、二の鎖にこれでもかーとやっつけられ、最後の三の鎖で精根尽き果てた。
天狗岳がガスっててくれて心底「よかったぁ。これであっちまで行かなくて済む」と思った。それくらい初めての鎖場は恐怖で精神的にも肉体的にもワタシをこてんぱんにやっつけたのだった。

が、しかし。
試しの鎖~二の鎖までショートカットしたとはいえ、今回の天狗岳に比べたら鎖場なんて…。

へーのぷぅー

そうなのだ。へーのぷぅーなのだ。
「鎖場だから鎖につかまればいいだけじゃんかー」なのだ。
天狗岳はそうはいかない。つかまる鎖はおろか、天狗の鼻でもあればつかまりたいくらいなのに、それもない。まず確保したい足場も不安定だ。岩肌はごつごつしているもののつかまれそうなポイントが素人目にはなかなかわからない。うっかりすると奈落の底へはいちゃらバーイなのだよ。
もうほんと格好なんて考えてられないくらいの、アクロバティックな登山なのだ。
それを思うと鎖場なんてしゃらくせぇ…。(-。-)y-~~~

石鎚山のホントの怖さは、天狗岳だったのだ。西日本一の山、霊峰石鎚とは、それほどの山なのだ。


弥山に無事に生還できたことを山頂の石鎚神社に報告し、お礼かたがた参拝する。
「ありがとうございました。おかげさまで無事に戻ってまいることができました。」
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           ※ほんとーにいいお天気で、紫外線が痛かった。あぁ、日焼け止めなんて塗ってくるわけもなく…
その後、のろのろと下る長い巻き道を歩く。そうそう2ヶ月前も、この道だりーなーって思ったんだった。
やっと土小屋まで戻ってくる。
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           ※下り道にいた天狗さん。誰かがコケそうになったときにとっさに鼻につかまったのか?

「はい。おつかれさんでした」

くたびれ果てたワタシの顔を見て、「お昼遅くなったけどなんか食べます?」と大先達さんが声をかけた。

「はーい(^o^)/」

登りは不安と恐怖と興奮にたぎる血潮のせいかカラダが熱かったけれど、下山してくるとかなりカラダが冷えて寒かった。
とにかく温かいものをカラダに入れたかった。
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          ※石鎚そば って天狗でも入ってんのかな?と恐る恐るオーダーしましたが、あまごの甘露煮でした。

さすがに「熱燗1本っ!」とは言えなかったけどね。

by ke-ko63 | 2011-10-20 07:29 | お遍路に行きたい | Comments(6)  

Commented by 湖山長者 at 2011-10-20 10:02 x
はりQさん、お疲れ様でした。
無事帰還できて良かったですね^^

はりQさんの臨場感あふれる(そして面白い)ブログを拝見していると、半分笑いながら、私も足がすくみ、胃袋がすーっと上に上がってくるような気持ちになります><
私は、昔から、高いところが好きになれなく(高所恐怖症ともいう)、昨年の春石鎚山頂上に上がったときも、今回のはりQさんのようにとても良い天気でしたが、鎖は全部パスし(巻き道も怖かった)頂上で天狗岳を見てすぐ行くことをあきらめ頂上社から手を合わせました(^_^;)

そのことを知っているめぐめぐさんが、昨日の朝、わざわざ天狗岳頂上から下を見下ろしたとてもきれいな(?)写真を貼り付けてメールで実況中継してくれました(/_;)

で、はりQさん、「夏へんろ記」はどうなりました?
Commented by ke-ko63 at 2011-10-20 18:44
>湖山長者さん
なんとかとケムリは…って言うでしょ?ワタシは、そのナントカの方でして…(^_^;)
たっかいとこには登りたくなるんですなぁ…
でも、石鎚山はそんなイチビった気持ちで登ってはならんのだということを今回いやっちゅーほど思い知らされました。
やっぱりいてはりますよ、石鎚山には神様が…。

めぐめぐさんのブログを拝見していて、もう石鎚山には思い残すことはないと思っていたのに、やり残したことに気付かされました。
御来光と星空を仰ぐこと。
どちらもたぶん圧巻だと思うんですよ。あぁ、今度はいつ行こうかしら…
どうですか?湖山長者さんもご一緒に…(^^)ノシ
Commented by mikeblog at 2011-10-21 08:20
これだけの難場をクリアするともう怖いもの無しですね。また次行っちゃうよー!ヘのカッパ。
お疲れ様でしたー。で、またアタックしましょうね。
Commented by ke-ko63 at 2011-10-21 21:59
>ミケさん
はーい。次は法螺貝持参で登ろうかなー。ホラは得意だけどどうだろ?吹けるかな?
Commented by 桃 ぶどう at 2011-10-21 22:54 x
すごいですね^^「有言実行」ですね。
前回よりも余裕で登った様子がよく伝わってきます。おめでとうございます♪
Commented by ke-ko63 at 2011-10-21 23:14
>桃 ぶどうさん
ありがとうございます。

天狗岳を登らずして、石鎚を語るなかれ…。

そう、山の神に言われたような気がしました。いやーすごかった。大変だった…。
でも、また行きたいんです。なんだろこれ・・・
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