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2011灼熱遍路行42 王至森寺の金木犀

前神寺をあとにして、ハラヘリ部隊は歩く。

「隊長っ!右手前方にうどんやの看板発見しました!」
クタクタの足を引きずりながら看板に近づくと、定休日。ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!
「残念でしたねぇ…」そういう隊長は、なぜか半笑いなのが腹が立つ。

「そうだ!ちょっと脇道にはいりましょう。いい道があるんです。とても好きな道なんです。」
そう言うやいなや、隊長は道を右手にとって山手の方へ向かう。
もう頭の中は食うことで埋め尽くされているワタシに、"いい道"もなにもあったもんじゃない。そんなんえぇねん、なんか食わせろ-!
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暴言二等兵は隊長の後を追う。
「ほら、ここです。竹林がいい感じでしょ?時代劇に出てきそうな感じしませんか?」
ふぅん…。空高く伸びた竹林が空を覆い進むべき道へいざなっている。
「ほら、ここなんかいい感じ」
はしゃいではる。腹減ってるつーてるのに、この人は好きな道にきて浮かれてる。おかしい、絶対おかしい。
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隊長オススメのステキロードを通りぬけると、王至森寺というところへ出た。角に立つ説明板を読むと、立派な金木犀があるという。
石段をあがって、境内に入りあたりをきょろきょろするもそれらしい大木は見つからない。お参りしていた地元の方に尋ねると、石段を降りて左へ曲がったところだと教えていただき、今登ってきた石段を下りて角を曲がる。
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そうか、金木犀って花の時季だとその香りでわかるけれど、花が咲いていないと金木犀を意識することがないのでわからなかったんだ。
見上げるばかりの巨木は、一時枯死しかけたけれど地元の人々や樹医さんの世話で復活したのだという。高さ16m、根回り4m。
これが花咲く時季は、さぞかし素晴らしいことだろう。その香りは一里四方にまで届いたという。さもありなん。

「金木犀の季節にはちょっと早かったですね。
でも、この大木がいっせいにあの小さな可憐な黄色い花をつけ、香りをあたりに漂わせるときに見てみたいなぁ…。きっときっとそれはそれは素敵な景色なんでしょうねぇ…。」

翌々月、石鎚登山行の折にここへ立ち寄って下さいました。当の本人は金木犀のことなんて忘れていたのに、夜中高速を飛ばして四国入りし、あたりが白々と明ける頃、満開の金木犀を見せに連れてきてくださいました。隊長、ありがとさんです。

そう隊長さんと話して、王至森寺を後にする。

「そうだ!お腹空いてたんですよ。もう寄り道ダメですからね。お昼ごはんに直行ですからね!」そう訴えるワタシを笑ってあしらう隊長さんは、「はいはいわかりました。さっきの国道に戻りましょうか」と言って歩き出した。
2011灼熱遍路行42 王至森寺の金木犀_e0008223_20173426.jpg

by ke-ko63 | 2012-01-23 20:18 | お遍路に行きたい | Comments(0)  

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