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かけ連れのマダム -第2回お遍路行4-

8/13(水)。
AM5:15起床。あまりよく眠れなかった。けれどいよいよ焼山寺アタックだ。身支度を整えてAM6:00に朝食。
食堂では若者チームのテーブルは昨日と同じメンツが揃い、年配チームのテーブルにはゆうべのしかめっつらおじさんではなく愛想のいいおじさんがニコニコしてご飯を食べていた。一人で回っているの?と聞かれうなずくと、しきりに「すごいねー。すごいよ。うん。すごい!」と絶賛してくださる。
開きっぱなしの小鼻で朝ごはんをかきこみ、またもや一位通過で部屋へ戻る。

荷物と今日のルートの最終チェックをし、いよいよ出発だ。
玄関先に出ると宿のおばちゃんと食堂で向かいの席に座ったマダムがバタバタしている。靴を履きながらやりとりを聞いているとリュック以外の鞄を斜めがけにし紐部分は肩への食い込み防止のためにタオルをぐるぐる巻きつけるテクニックを宿のおばちゃんから指導されているようだった。
結局「じゃあご一緒に…」となり、東京から来たという上品そうなマダムとかけ連れすることになった。

・今日が3日目というマダムは、何の準備もなく徳島へやってきたという。「駅前にお遍路案内所かなにかあるでしょ」と思ってきたら「そんなのないんですってねー。びっくりしちゃった」
・昨日もどう道を間違えたのかずいぶん歩いてから郵便配達のバイクに尋ねると逆方向に歩いてると言われ、走り去られてしまいどうしていいかわからなくなって道の真ん中で大泣きしていたら、車が通りかかりのっけてもらって「ラッキーだったわ♪」
・『駅前お遍路案内所』をアテにしてきているからもちろん地図なんて持ってきてないし、「誰かと一緒に行けばついてくだけでいいでしょ?」
・昔は(こう見えて還暦とっくに過ぎてるのアタシ←このフレーズが口癖のようで以後数回耳にする)山登りをよくして立山なんかも登ったりしたが、足を悪くして昔のようにはいかないから途中で引き返しちゃうかもしれない。だから気にせず先に行ってちょうだいね。(←これは結果的にウソになる)

かけ連れのマダム -第2回お遍路行4-_e0008223_23444133.jpgたしかに還暦をとっくに過ぎているようには見えない可愛らしいマダムだ。とゆーか天真爛漫…。
焼山寺への登山口のある11番藤井寺までは宿から500mあるなしの距離。その間ずっとしゃべり続けるマダム。
「お遍路さんってみんな黙って一人で歩くものなの?暗くない?せっかくならこうして楽しくおしゃべりしながら歩く方がいいと思わない?」と同意を促される。
(い、いやぁ…ハイキングとちゃうからそういうわけにもねぇ…)と思いながらも、地図の下見もコース取りも一応下調べしているワタシをつかまえたことに無条件に喜んでいるマダムをみているとそうも言えなくて、笑ってごまかした。しかし「その杖持ちにくくない?長いし…でも、みんな持ってるのよね。おんなじようなのを…」と金剛杖を指してあっけらかん言われた時は、返す言葉もなかった。お大師さんごめんなさい。

11番藤井寺にまだお参りしていないマダムを待って、一緒に行くことになりベンチで待っていると「ごめんねぇ。数珠がないの。きっとかばんの奥底に入ってると思うんだけど…」と探し始める始末。結局見つからず納経帳の列に並び自分の番になって「数珠くださいな」とニコニコしているマダムをみながら今日のこれからが思いやられるのだった。

by ke-ko63 | 2008-08-21 23:50 | お遍路に行きたい | Comments(2)  

Commented by コイケダ at 2008-08-22 12:16 x
はりさん・・・

これはツライ!山道よりも厳しい修行でんがな(^^;
還暦越えたお嬢ちゃんで、しかも東京弁?!

ああ、はりQの運命やいかに!
(途中でこのマダムを坂から突き落としたりしてへんやろな?)
Commented by ke-ko63 at 2008-08-22 22:15
>コイケダねーさん
お大師さんもえらいツライ修行をさせはるわぁ…と思いつつ、しかしまだまだ人間ができていないアタクシ。還暦レディーを見捨てた・・・つもりが…つづく。

どんどん文章が長くなってくどさ満開です。
端的にまとめるという能力をどっかに落としてきたようです。
見つけたらご一報を!
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