焼山寺をめざして -第2回お遍路行7-

前にも後ろにも誰もいない、そして見知らぬ土地の慣れない山道、大小の石がごろごろしている気が抜けない道、なのに不思議と怖いとか不安という気持ちがない。ただただがむしゃらにこの道を乗り越えていかなければ…という気持ちしかない。
のぼりが続いたと思ったら、今度はくだり…。くだりも気が抜けない、金剛杖を支えにしなければうっかり足を取られて転げ落ちそうな急な下りなのだ。

とっくにお昼の時間を過ぎているけれど、ザックと腰をおろして宿で持たせてもらったおにぎりを食べる元気がない。

また上り坂…。うんざりだ。
これまでも道の途中に"南無大師遍照金剛"とか"同行二人"とか"元気を出して"とかの道しるべとも声援ともとれる札が木の枝などにぶら下げられていて、それを見つけるたびに「あぁ、ありがたい。」と思い、ひとりで歩いていても孤独感を感じなかったのはその札のおかげだったのかもしれない。
が、ここへきて"さぁ、ここからががんばりどころ"という札。
うそん。今までの道はなんやったんですか?もうがんばれません。アタシャたいがいこれまでがんばりました。なのにこのうえ"がんばれ"とはゴムタイな…。
そう言い返しながら最大の難所である遍路ころがしをのぼってゆく。
さっきまでの「お大師さん助けてください」から「ちきしょーちきしょー」に掛け声は変わっていたけれど。
休んでは歩き、また休んで歩きを繰り返すうちやっと林道のようなちょっと平坦な道へ出た。"焼山寺まであと1km"という標識のところの大きな岩の上で靴も靴下も脱いで全力で休憩する。やっとおにぎりを食べる。

e0008223_2302415.jpg米がうまい!うまーい!
でっかいおにぎりinおかかは母の味だ。添えられていたラップにくるまれたたくあんをかじるとじわぁ~んと塩分が体にしみわたる。うまい。
ありがとう、ありがとう。宿のおばちゃんありがとう。おいしいおにぎりありがとう。

さぁ、あと1kmだ。がんばれ自分。ファイトー自分。やったれ自分。ガッツだ自分。
自分を鼓舞したりだましたりすかしたりしながら歩くもこの1kmの厳しいこと…。
(あとで調べると海抜400mの谷底から800mの山門までの急こう配を進んでいた遍路道だったのだ。そりゃしんどいわ。今までそんな過酷なところ上ったりしたことないっちゅーねん。)

やっと焼山寺の看板が見えた。あぁ、やっと着いた。長かった…。
前方よりこちらにガン飛ばしてるえらい怖い顔した石像がにらんでる。ふん。そんな顔したかて怖わないわい。アタシャここまでもっと怖い道歩いてきたんやもん。
ひしゃくの置いてある水場があったので、2杯いただく。今回悟ったのは「水は飲めるとき飲んどけ。迷うな、飲める時飲め!」ということ。ゴール直前でもそれを決行する。
最近新築されたのか真新しいきれいなゆるやかな上りの参道を一歩一歩進みながらゴールの山門を目指す。
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by ke-ko63 | 2008-08-24 23:01 | お遍路に行きたい | Trackback | Comments(0)  

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