お遍路は即ち是 人生 -第2回お遍路行8-

できたてホヤホヤ(?)な参道を歩いていくと、その先に山門が見えてきた。

e0008223_2124794.jpgヤッター!ヤッター!ゴォォォォルゥゥゥゥ~!ばんざーい!
山門をくぐって、まずはおまいりにせねばと本堂手前の階段を睨みつけながらクタクタの足をひきずる。
「最後の最後に階段かいっ!」とここへきてもまだ悪態をつきつつ階段の上のお大師さんに「きましたよーやっときましたよーがんばりましたよー」と話しかけながら階段へ向かう。


「あらっ。無事に到着したのね!よかったぁ」
聞き覚えのある声が左手から聞こえた。振り向くと長戸庵以降消息不明だったマダムだ。
「ちょっと先で待ってるって言ったのにごめんねぇ。待ってようと思ったんだけど、昔とったキネヅカっていうじゃない?なんだか行けそうな気がしてきてね。とうとう先に来ちゃった。ごめんねぇ。」
あれからここまでのあらましをものすごい勢いでしゃべり始めるマダム。まだザックを背負ったままのワタシの腕をぎゅぅっと掴んだまま…。
「あ、あのぅまだお参りしてないんスけど・・・」というワタシに、お参りはあと、あと!とりあえず休憩しなさい。休憩が先!と掴んだ腕をぐいぐい休憩コーナーへ引っ張っていく。
汗まみれ泥まみれの足元ふらふらなワタシはマダムにされるがままだ。

ザックを下ろし、自販機があることを聞き、教えられた方向へ行くとそこには夢にまでみた自販機が!会いたかったよぅ。抱きしめたい気分だけれど身幅の広い自販機に腕が回らず断念。
「ガツンと炭酸飲料をば!」とコーラを探すも無情にも売り切れ。仕方なくファンタオレンジを買い求めてまずは一息に飲み干す。
それをニコニコしながら眺めていたマダムのそこから長い長い話が始まった。

e0008223_2132923.jpgあれから足が軽くなったようですいすい進めた(キネヅカ説)マダムは、前を歩く男性遍路の一人(長戸庵であとから来た二人のうちの一人)とつかず離れずの距離で歩くうち、昼食のおにぎりではもの足りないだろうとSOYJOYをあげたりなんかするうちに(マダムによると)すっかり仲良くなり、遍路ころがしの道もなんとかクリアしつつもノドの乾きに抗うことなく手持ちの500mlのペットボトルを飲み干してしまったらしい。マダムに驚かされるのはこれがはじめてではないけれど、なんとマダムはこの難所に、8時間かかるとされる焼山寺コースへたったペットボトル1本でアタックしたということ。(ワタシは1.5リットルを装備)
しばらくは我慢したけれどどうにも辛抱たまらず、それでも我慢していたら(マダム曰く)"死にそうになって"30mほど先を行く若者遍路に半ベソで500mlペットボトルを1本もらったのだそうだ。


その後、よみがえったマダムは若者遍路に引っ張られるような感じでチャキチャキ登り、納経所の人に「男並みのタイムやね」と「驚かれちゃった」のだそうだ。
恐るべしマダム。
天真爛漫もここまできたらホンモノだ。しかしこういう人にはなぜかちゃんとフォローしてくれる人がうまく付き添うねんなぁ…。でもなんだか憎めない人だったりする。これもマダムの人徳なのかもなぁ…。世の中うまいことなってるなぁ。とつくづく人生の帳尻をマダムの話を聞きながら感じたのだった。

e0008223_2141166.jpgひとしきりしゃべりまくったマダムは「とにかくアナタのことが心配でね。ちゃんと来れるかしらって思っていたの。ほんと無事にここまでこれてよかったわ。」と締めた。
(いや、それはこっちのセリフですがな。途中で見放したことに対する罪悪感も背負って歩いてたアタシャいったいなんやったんやろ?)とも思ったが、たしかにマダムのいうとおり「ほんとお互い無事にここまでこれてよかったね。これもお大師さんのおかげよね。」ということで折り合いがついた。

ふと気づくと隣の縁台には当の若者遍路が全身脱力状態でのびていた。
「ほんとにおつかれさん。マダムのお守りをよくここまでしてくれました。ありがとねー」

写真2枚目は、休憩コーナーの窓から外を見たら、下から見上げていた白い牛の像。
なんでここに牛?
写真3枚目は、これまでも対面したことのある全身赤い坊さんの像。いや、本名びんずるさん。酒好きが高じて全身まっかっかなんだとか。

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by ke-ko63 | 2008-08-25 15:09 | お遍路に行きたい | Trackback | Comments(4)  

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Commented by コイケダ at 2008-08-25 20:46 x
恐るべし!としか言えないマダム。

現場に居たらまた違う感慨を得たやも知れぬが、
お遍路「お預け」状態で俗世にまみれてる今のアタシには耐えられぬッ!

はりさんの身代わりになって精気を吸い取られた若者の成仏を祈りましょう・・・(悪のりし過ぎやったらごめんちゃい)(^^;
Commented by ke-ko63 at 2008-08-25 21:15
>コイケダねーさん
いや、若者にはほんとに悪いことをしたと思うのです。
つーか、これも修行。若者はこのあともとことんおばちゃんチームに翻弄されるのでした。(ワシも構成員)
Commented by mikeblog at 2008-08-26 12:15
そのマダムさんの中年力は恐ろしいものがありますね。
おびんづるさんはこちらのお寺にもいらっしゃいますが、なんか赤を通り越して黒くなってます。
Commented by ke-ko63 at 2008-08-26 15:50
>ミケさん
びんずるさんはあちこちにいてはるんですね。
撫で仏というそうで、カラダのわるいところを撫でさすると治してくださるのだとか。ミケさんところはナデナデ力が強すぎて黒光りしちゃってるのかな?

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