ジャグジー風呂とヒグラシと蛙とコケコッコ -第2回お遍路行10-

おとなしいわんこに出迎えられ、そのまま玄関のほうへ回りこんで「こんにちはーッ」と奥に声をかけてみる。

焼山寺を越えてなんとかたどりつける宿はここが限界。この先の宿まで足を延ばせるかどうかなんてどだいムリな話。なので8月上旬に予約の電話を入れたとき13日から休むというご主人の返事に大阪出発を一日繰り上げたのだ。しかし電話口のご主人のアイソないというかソッケないとゆーか「あそ。12日ね。はい。」だけで電話を切られたものの名前も人数も聞かれなかったワタシは果たして予約は成立しているのかどうか不安だった。

焼山寺をドロドロしながら登ったり下りたりしているときも頭の片隅にあったけれど、今この状況で確認の電話を入れて「いや、聞いてない」とか言われてしまったら再起不能だ。もしかするとマダムのように山ン中で大泣きするかもしれない。せめて焼山寺のお参りが済んでから電話で確認しよう。と思っていたのだ。
それほど確認が怖かった。(万が一予約が取れてなかった時の方が怖いんだけどね。)
無事ゴールし、下山前に焼山寺の休憩コーナーで予約確認の電話を入れたら「はいはい。聞いてますよ。気をつけてね」とアイソのいいおかみさんの声だった。ホッ。

件のご主人が登場し、2Fの部屋へ案内してくださった。
が、通された部屋の入口で「藤井寺か焼山寺で家族連れの遍路を見なかったか」と藪から棒に尋ねられ「え?なんかあったんスか?」と聞き返すと数日前に予約の電話をもらったが名前と連絡先を聞きそびれちゃったので今日くるのかどうかがわからないということだった。
(ワタシもですがな…)とツッコミたかった。
その後も風呂上りに洗濯していると、先に終わって干してる自分のシャツを指して「このシミをとるにはどーしたらいいか」などの質問を受けたり…。
なんか独特の間合いを持ってらっしゃるご主人だ。

他の宿泊客はまだ到着していないのか、勧められるままに一番風呂をよばれる。
おぉーっ!これがウワサの檜のジャグジーですな!ひゃほーぅ!
手足をうんと伸ばしてお湯に浸かると今日一日の疲れがじわじわと全身から抜けてゆくのを感じる。
ヒグラシの声がいいカンジのBGMだ。すだれのみの目隠しで中から外は丸見えだからきっと外からもそれなりに中が見えていたりするのかもしれないけれど、そんなこたぁこのさいどうでもいい。

カナカナカナカナカナ・・・・ちゃぽーん。

洗濯や荷物の整理をするうちに夕食の時間になり階下の食堂へ。(期間中ずっと筋肉痛だったが、初日の筋肉痛は格別でして…ここの階段の上り下りのつらいことつらいこと)
********Menu**********************
天ぷら(いも・しそ・しし唐・えび・しいたけ)
炊き合わせ(小芋・梅焼・いんげん・昆布)
あまごの塩焼き
そうめん(どっちゃり)の吸い物
いかなごの釘煮、らっきょ、キムチ、山くらげの漬物
蓮の茎の(どっちゃり)酢の物
以上が今宵のメニュー。んーっ豪華だ!中でも酢の物は秀逸で、淡い緑色でシャキシャキとした食感にこれが"蓮の茎"とはおかみさんに尋ねて初めて知った。

ここでも昨夜と同じで「今日の焼山寺どうだった?つらかったよねー。でもがんばったよねー」みたいな懇親ムードはなく、テレビに映る五輪選手の競技にときおり目をやりながら黙々と食事をするだけだった。
ワタシの他に3組ほどいたけれど、チーム内でのコミュニケーションも盛んでない。それほどみなさんも疲労困憊していたのかもしれない…。

部屋に戻って荷物の整理(しょっちゅーしてるような…)をし、今日のできごとなどをメモする。
部屋の鍵がかからないというのがどうも落ち着かないのか、今日の山越えを振り返っていてまたもやドーパミンが出始めたのか寝付けない。外では蛙がブウォォォンブウォォォンと大合唱だ。
やっとうとうとしかかった頃に庭のにわとりの独唱がはじまり、次々と輪唱のように続き、とうとう起こされた。

朝起きてすぐの朝食というリズムも2日目にして慣れてきた。普段は食べたり食べなかったりの朝食も「食べられるうちに食べておけ」ルール適用で、おそらく朝食ヌキなんかではカラダが持たないから起きぬけでも胃が活発なのかもしれない。今日は長い長い距離を歩くコースだ。モリモリ食べて行かねば!
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by ke-ko63 | 2008-08-27 16:33 | お遍路に行きたい | Trackback | Comments(4)  

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Commented by Nabe at 2008-08-27 23:04 x
こんばんは。Nabeでございます。
おそるおそるお邪魔いたします。

いやぁ、はりQさんて、なんちゅうか、エエ味してはりますね。
すごい表現力のある方やなぁって思います。

とにかく読んでてオモロイですワ。こりゃコイケダねーさんもビックリでんナ。

ちょいと遅レスですけど、焼山寺へんろころがしの水場でゴクゴク飲んだたまり水っちゅうのは、長戸庵にあったやつなんですね。
わては、ソレ、知りまへんねん。

わてが知ってるやつは、長戸庵に向かう途中の山道にあったやつなんですけどね、それには気づきはらへんかったんかなぁ。
もしかしたら、そこは枯れてたんかもしれまへんね。

またの更新楽しみにしてますんで、頑張ってください。
わても更新、頑張らな・・・・。(汗)
Commented by mikeblog at 2008-08-28 00:15
にわとりの話ですが、昔近くで飼っていたお宅がありました。朝刊はかなり早くて2時過ぎると来るのですが、そのころに鶏も起き出してコケコッコー!と鳴き始めるのです。寝そびれた時は安眠妨害でした。その後誰かに怒られたのか公園の鶏舎に寄付してしまったそうです。鶏は朝早く鳴くのが仕事ですからねー。
Commented by ke-ko63 at 2008-08-28 11:46
>Nabeさん
ようこそ。いらっしゃいませ。
ホメられるとどこまでも木に登ってゆくはりQでございます。
ご指摘のとおり、長戸庵には水場はありませんでした。そう、記憶の錯綜でございます。Nabeさんのおっしゃるとおり長戸庵手前の左手にあるやつでした。本文もちょっと修正しました。ありがとうございます。ほんのこないだのことなのに、メモも取ってるのに早めのアルツ?ちょっと心配でございます。

ワタシもときおりNabeさん家のブログを拝見しております。不思議なじーちゃんの動向が気になっておりました。タフネスじーちゃんですね。ほんと…。
Commented by ke-ko63 at 2008-08-28 11:49
>ミケさん
2時過ぎにくる朝刊もすごいけれど、新聞配達に起こされるにわとりってのもちょっと笑えますな。きっとそいつは、早起きしすぎて昼寝してますよきっと。公園の鶏舎へ引っ越してからは新聞配達も来ないだろうし、ナミのにわとりと同じ頃に啼くようになってたりして…。だったらにわとりはずいぶんかわいそうな身の上ですなぁ…。

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