おやすみなし亭にて -第2回お遍路行15-

13番大日寺まで、もうそう遠くないのだろうけれど延々アスファルト道を歩くというのは退屈で聖徳太子の祠前での休憩後もぐだぐだ言いながら歩く。
おなかがすいたという感覚もなにか遠い昔のことのような気がしてきて、もし今ひとつだけ望みを叶えてやると言われれば、まだ先にある大日寺を縄で結わえてこちらへ引き寄せたい。とお願いするだろう。
いやしかし、アタシャ焼山寺を越えてきたのだ。お遍路泣かせの難所を越えてきたワタシが大日寺への平坦なアスファルト道でへこたれてどーする!と自分を鼓舞するもすぐに「そやかてあれとこれとはまたちゃうもん。」とグズグズ言い訳する。

時折びゅうっと吹く風に菅笠があおられ何度も立ち止まって紐を直すが、いいかげん面倒になって笠を脱いだ。
日焼け止めは宿を出るときに塗りたくったけれど、とっくに汗で流れ落ち汗をぬぐうタオルでさらにこそげ落ちているはずだ。日焼けがなんでぃ!日焼けが怖わぁ~て歩き遍路やってられるかい!とから元気にもイマイチ勢いがない。
でも、この激しい日照りにとうとうタオルをほっかむりにした。「"日焼けと人目"を天秤にかけりゃーあたしゃタオルをほっかむる。」やっつけ川柳をひねりつつ歩いていると前方に小屋を発見!おやすみなし亭だ!

e0008223_2052899.jpgこれは地元有志の方たちが立てたお遍路さん接待所で、大日寺までの休憩所として歩き遍路にとってはとてもありがたい場所であるというようなことをネットで見たのを思い出した。
さっき休憩したばっかりだけれど「おじゃましまーす」

6畳ほどの広さにテーブル、ベンチやイスが置いてありテーブルや壁のあちこちに心温まるメッセージが書かれていた。冷蔵庫には冷えた水とお茶が入っており「ナントカ還元水で作った水とお茶です。安心してお飲みください」とメッセージが添えられていた。ありがたい。ありがたい。手を合わせてから2杯飲み干した。他にも手縫いのペアふくろうの置物(自由にお持ち帰りくださいメッセージあり)、四国遍路のための地図など情報ステーション的な役割もになっているようだ。


e0008223_2215556.jpg壁には扇風機が設置されており、「おぅ!ラッキ♪」とスイッチを入れてみたが、どことなく頼りなげな動き。羽の回転が動いたり止まったりするので「気合のたりんヤツめ…」とスイッチを切った。

冷蔵庫には甘夏と小ぶりのはっさくも入っていた!!「そう、甘夏たべたかったんです!ありがとう!遠慮なくいただきます」見た目は悪いが愛嬌のある甘夏をひとつとりだした。これには"サンデー百姓の合間に作ったものです。無農薬なので安心してお召し上がりください"というメッセージ。
甘夏をいただきながら、これまでもたくさんのお遍路さんがお世話になったのだろう、感謝の言葉がびっしり書かれた納札ノートを拝見しながら世知辛い世の中、見ず知らずの者にこんなに親切にしてくださる土地の方に心から感謝した。

ベンチにはだしの足を投げ出して身も心も休息することができたワタシは、やっと大日寺へ向かう重い腰をあげた。
ありがとうございます。おかげさまであと少し歩く元気ができました。
おやすみなし亭全体を見渡して一礼し戸を閉めた。
ふと見上げるとそこには風力発電の装置があり、この小屋の電力をこの風力発電でまかなっていることを知った。扇風機に罪はなかったのだ。傲慢な遍路ですワタシ。ごめんね、扇風機。

さぁ、今日のゴール大日寺まではあと1.8キロだ。
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by ke-ko63 | 2008-09-02 15:25 | お遍路に行きたい | Trackback | Comments(0)  

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